通勤にかかる費用(通常の給与に加算して支給される通勤手当や通勤定期券)は、一定の限度額まで非課税となっています。非課税になる対象額は利用する交通機関によって異なります。
電車・バスを利用して通勤をする場合、「経済的かつ合理的な経路・方法」で通勤した場合の金額が非課税対象となります。この非課税対象金額は上限が1ヶ月あたり15万円となっており、15万円を超える場合には、超えた分は課税対象となります。
※補足:通勤交通費の非課税対象額は、平成28年に上限10万円から上限15万円に引き上げられました。
通勤距離が片道2km以上ある場合は通勤交通費が非課税となります。こちらも上限金額が決まっており、通勤距離により異なります。通勤距離ごとの非課税上限金額は以下の通りです。
通勤距離が片道2km以上10km未満:4,200円
通勤距離が片道10km以上15km未満:7,100円
通勤距離が片道15km以上25km未満:12,900円
通勤距離が片道25km以上35km未満:18,700円
通勤距離が片道35km以上45km未満:24,400円
通勤距離が片道45km以上55km未満:28,000円
通勤距離が片道55km以上:31,600円
(平成30年12月時点)
1と2を合計した金額、つまり公共交通機関を経済的かつ合理的な経路・方法で利用した金額と、マイカーなどを使用してかかる金額を足して月15万円までであれば全額非課税となります。たとえば、電車での定期券代が月10万円・マイカー通勤にかかる費用が月8万円の場合、合計は月18万円なので月3万円が課税対象となります。
派遣のお仕事は、交通費支給がない代わりに時給に交通費分が上乗せされているケースが多いです。
交通費が時給に含まれていても、交通費が「交通費」という名目で支払われている場合、つまり給与明細に「交通費」と記載があれば、年末調整で還付される可能性があります。交通費を年末調整で還付できるかどうかは、現在就業している派遣会社に問い合わせるのが確実です。
一方、給与明細に「交通費」という記載が無い場合には、交通費分も含めて課税対象となります。これからお仕事探しをする際は、この点も含めて検討するとよいでしょう。
時給を高めにして交通費なしにするか、時給が少し低くても交通費支給のお仕事を選ぶか、とても悩むポイントです。結論からお伝えすると、派遣会社へ相談することをおすすめします。交通費が時給に含まれるお仕事でも、前述の通り交通費として支給されるか否かで課税対象になる場合もありますし、実際にかかる通勤交通費とのバランスや、扶養内か否かなど、考慮するポイントが多く一概にどちらが得とはいえない為です。
あくまで一例にはなりますが、どちらの方が収入が多くなるのか考えてみましょう。
例えば、「時給1,500円・交通費1日500円支給・1日実働8時間」のお仕事と「時給1,550円・交通費支給なし・1日実働8時間」のお仕事を比較する場合。
前者の月収額:1,500円×8時間×20日+500円×20日=250,000円
後者の月収額:1,550円×8時間×20日=248,000円
差額は2,000円で、前者の方が支給額が多い結果となりました。但し後者の交通費支給のないお仕事が、給与の中に交通費という名目があり非課税処理をしてくれるのなら、交通費支給なしのお仕事の方が支給額が高い可能性があります。
なお、交通費支給といっても一部支給や全額支給など、支給額は派遣会社・派遣先によって異なります。交通費支給あり・なしを選べるお仕事もありますので、登録のタイミングなどで派遣会社に相談してみるとよいでしょう。
いかがでしたか?
ここまでのお話をまとめます。
・公共交通機関を使って通勤する場合、通勤交通費は月額15万円まで非課税。※経済的かつ合理的な経路・方法に限る
・自転車やマイカー通勤の場合、片道の通勤距離に応じて非課税額が決められている。
・公共交通機関と自転車やマイカーを併用して通勤する場合、月額15万円まで非課税。※公共交通機関は経済的かつ合理的な経路・方法に限る
・通勤交通費が時給に含まれていて、「交通費」として支給されていなければ、課税対象となる。
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