派遣のお仕事クローズアップ
人気の職種を徹底解剖!先輩スタッフさんや派遣会社の担当者に独自インタビューするコーナーです。

ITインストラクターのオシゴト

週3日勤務で子育てと両立中。生徒と一緒に学んでいけるお仕事です。女性 / 37歳
職種名
ITインストラクター
仕事内容
東京都が開催する職業訓練校にてオフィスソフトのメインインストラクター・アシスタント
プロフィール
年齢
37歳
お仕事経験
アパレル販売員、アパレル会社勤務、アパレル会社経営、PCインストラクター
資格・特技
MOS Word2007、MOS Excel2007、MOS PowerPoint2007、ドットコムマスター:★スター、デジタルライフマスター:3級
現在の派遣先
専門学校
派遣会社
株式会社ブール・ジャパン
収入
平日3日(1日6時間)勤務、残業なしで月11万円程度
現在、担当している仕事内容を詳しく教えてください。
現在、東京都から委託を受けた職業訓練校で、オフィスソフトのメインインストラクターとアシスタント業務を担当しています。WordやExcel、PowerPointの操作を実務レベルからビジネスレベルまで幅広く教えています。受講する方は20代の若い方から上は70代の方まで幅広い年齢層の方々。相手が理解できるよう授業の内容を工夫しながら進めています。より良い授業にするために、事前準備は欠かせませんね。また、授業中はもちろん終わった後も、色々な方から質問を受けるのですが、これがとても勉強になるのです。自分では想定しなかった操作をしてしまった方やつまづいてしまった方がいると、それを一緒に解決しようと向き合うので、一つひとつのケースが自分にとっての経験値になります。そういう部分が楽しいお仕事です。
このお仕事を選ばれた理由を教えてください。
このお仕事を選んだのは、通っていたパソコンスクールの先生に「向いている」と言われたからです。学校を卒業した後は、元々洋服が好きだったこともあり、アパレルの販売員として働き始めました。その後、主人が経営するアパレル会社に務めるようになり、私自身も会社を設立したのです。経営者として仕事をしていましたが、出産を機に会社を休眠させることに。子育てがひと段落したタイミングで、たまたまパソコンスクールの事務職についたことがキッカケでITインストラクターの道に進むことになりました。元々、パソコンが好きとか得意とか、そういう訳ではありませんでした。

そのパソコンスクールの事務をしながら、資格の勉強をしてみると想像していた以上に面白く、MOS Word2007、MOS Excel2007、MOSPowerPoint2007、ドットコムマスター★スター、デジタルライフマスター3級などを取得することができました。パソコンスクールの先生に「あなたは、お話しするのが好きだからインストラクターになってみたら?」と言われ、いまこのようなお仕事をしています。現在も、以前と同じパソコンスクールとこちらの専門学校を掛け持ちしています。違う環境で教えることで、自分が学べる機会も多くなりましたし、それから育児ともうまく両立できています。
ITインストラクターのお仕事のやりがいは、どんなところですか?
自分の講義を受けた生徒さんが、次々と知識を習得していって、「分かりやすい!」「パソコンが楽しい!」と言ってもらえることが一番のやりがいです。「少し難しいかな?」と思って出した課題に生徒さんが一生懸命に取り組み、そこから出てきた疑問に一緒に向き合って自分自身で考えて解決策を見つけてもらえるようサポートしています。それが、私にとっても大きな学びになります。私自身がパソコンに疎くて今まで苦労して勉強してきた分、初心者の方が分からないことが分かるのです。理解できた時の喜びも知っているので、親身になって教えることができるのかもしれませんね。

ただ、生徒さんに教えることは、一筋縄ではいきません。10人いれば10通りの理解の仕方があります。つまづくポイントも人それぞれ。私の講義には20代~70代の方が参加しているので、相手に合わせてアドバイスしなければなりません。そういう部分は難しいと感じます。時には、テキストに載っていない課題を事前に準備することもあります。課題を作る際は、生徒さんに理解してほしいこと・テーマを定め、そこから問題を作って実際に自分でも解いてみます。インストラクターとして人の前に立って教えるには、ある程度の自信が必要。事前準備は大変ですが、気持ちにゆとりが生まれるので、できる限りするようにしています。
このお仕事に役立ったこれまでの経験やスキル、資格はありますか?
現場で積んできた経験・取得した資格すべてが役に立っています。自分では間違わなかった操作なのに、通常でないエラーを出してしまう方や全く予期していなかった工程で躓いている方…講義では色々な“事件”が起こります。この一つ一つのトラブルを解決する度、自分の経験値が増えていくのです。何よりも現場で積んできた経験が、今の私を成長させてくれました。もちろん、取得した資格も役に立っています。ただ、自分で「学ぶ」のと人に「教える」のは全く別モノ。伝えるチカラが求められます。知識は後からでも積み上げていくことができるので、常により良い伝え方を模索していく向上心が必要だと思います。
このお仕事を通じて、新たに身に付いたスキルがあったら教えてください。
技術面というよりは、コミュニケーションスキルが磨かれたと感じています。いくら本を読んで勉強しても、人にそれを伝えるのは簡単ではありません。相手の立場になって、分かりやすく説明しなければならないのです。なので、生徒さんから質問を受ければ受けるほど、お仕事経験を積めば積むほど、コミュニケーションスキルを磨くことができると思います。
このお仕事を目指す人にひとことお願いします!
ITインストラクターは、講義スケジュールごとにお仕事をすることが多いので、週3日勤務など勤務日数に融通が利きやすいお仕事だと思います。家事や育児などと仕事を両立させたいという方にとっては働きやすいと思いますよ。

また、私は、以前はパソコンに興味がなく、お仕事をする中で少し触れた程度でした。ただ、人にはすごく興味を持っていたんです。知識は後からでもついて来ます。ですから、「どうすれば伝わるか」ということを常に考えながらお仕事をしていくと上手くいくのではないでしょうか。また、スキルアップへの意識は必要不可欠です。ただ教えるのではなく、生徒さんと一緒になって勉強していけば自分自身も成長することができます。
派遣会社に聞いた!ITインストラクター
ITインストラクターで多いお仕事の内容について教えてください。
OfficeアプリケーションインストラクションやITリテラシー座学講習、資格取得のための講習を行なうお仕事が多いです。講義を行なうのは、パソコンスクールや自治体から職業訓練などの委託を受けている専門学校がほとんどで、まれに一般企業でも活躍の場があり、社員向けの研修を行なうことがあります。
Officeアプリケーションのビジネスレベル実習インストラクションで多いのは、OutlookやPowerPoint、Word、Excel、Accessの基礎スキルからビジネスで応用の効く範囲の操作や基本コマンドの活用まで幅広く教えています。その他、即戦力となりうる各種帳票類の作成の指導と解説といった内容もあります。
ITリテラシー座学講習では、ビジネスパーソンとして今の時代にかかせないITの基礎知識からコンピューター概論、情報技術、ネットワーク基礎、開発プロセスまで。他にも、企業活動やマネージメント、文書管理の基礎といった講義もあります。
それから、資格取得を目的とした講習。メジャーなものは、Microsoft Office Specialist、通称MOSですね。パソコンスキルを客観的に証明する資格になるので、取得を目指す方が多いです。Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlook・Windows Vistaなどの試験科目があります。
ITインストラクターのお仕事の傾向について教えてください。
やはり景気の動向を受けてなのか、離職者向けの職業訓練に関連する講習のお仕事が増加傾向にあります。逆に、受講者が自分で費用を支払うようなパソコンスクールは淘汰されつつあるようです。いま離職者向け職業訓練の受講を希望する人が増えているので、職業訓練という枠で語るインストラクションについてはお仕事が常に発生している状況です。また、内容も自治体がきちんと講義クオリティを保つよう管理しているので、講義内容は毎回ブラッシュアップされています。ですから、ITインストラクターとして経験を積みたいと考えている方にとっては、いままさにステップアップのチャンスです。
未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
まったくの未経験からITインストラクターに就業するというのは、少し難しいように思います。まずは、MOSの資格を取得し、比較的就業しやすいパソコンスクールのアシスタントレベルからスタートすると良いのではないでしょうか。その後、派遣会社の研修制度を活用するというのも一つの方法です。最初はアシスタントインストラクターとして補佐的な立場で就業し、どのように講義を進めていくかを学んでいく必要があります。得た知識を人に教えるには、努力が必要です。
また、ヘルプデスク経験のみ、社内ヘルプデスク経験のみという方でも、知識とコミュニケーションスキルをお持ちであれば即戦力として採用されるケースがあります。これらのお仕事は、IT系職種の中でも相手に操作方法を教えるなど、コミュニケーションスキルが必要とされるものです。そのため、伝える力を磨けば、就業できる可能性はかなり高いと言えます。
どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
2011年時点で、時給アップに直結する資格はITパスポート、MOS2010とMOS2007です。あればなお良い資格でいえば、基本情報技術者やシステムアドミニストレータ、ネットワーク系の資格であるCCNA、CCNP。変化の激しいIT業界だけに、価値のある資格は、その時によって変わります。ですから、時給アップを狙うのであれば、常に情報収集をし、時代の変化を把握しつつ、取得を目指したほうが良いですね。
また資格が未取得であっても、サービス業界で人との礼節を保つスキルを磨いてこられた方、PCの知識が豊富であれば就業のチャンスがあると思います。
このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
ITインストラクターは、ある意味サービス業です。人と接する力があり、ビジネスパーソンとしての意識・立ち振る舞いができる方が求められます。まずは、相手に聞く姿勢になってもらう雰囲気をつくる。そして、どうやって説明すれば伝わるかを考える。さらに、回を重ねるごとに講義内容をブラッシュアップしていく。プロフェッショナルとしてそういった努力をし続けていける方は、ご活躍できると思います。
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