- ITインストラクターで多いお仕事の内容について教えてください。
- OfficeアプリケーションインストラクションやITリテラシー座学講習、資格取得のための講習を行なうお仕事が多いです。講義を行なうのは、パソコンスクールや自治体から職業訓練などの委託を受けている専門学校がほとんどで、まれに一般企業でも活躍の場があり、社員向けの研修を行なうことがあります。
Officeアプリケーションのビジネスレベル実習インストラクションで多いのは、OutlookやPowerPoint、Word、Excel、Accessの基礎スキルからビジネスで応用の効く範囲の操作や基本コマンドの活用まで幅広く教えています。その他、即戦力となりうる各種帳票類の作成の指導と解説といった内容もあります。
ITリテラシー座学講習では、ビジネスパーソンとして今の時代にかかせないITの基礎知識からコンピューター概論、情報技術、ネットワーク基礎、開発プロセスまで。他にも、企業活動やマネージメント、文書管理の基礎といった講義もあります。
それから、資格取得を目的とした講習。メジャーなものは、Microsoft Office Specialist、通称MOSですね。パソコンスキルを客観的に証明する資格になるので、取得を目指す方が多いです。Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlook・Windows Vistaなどの試験科目があります。 - ITインストラクターのお仕事の傾向について教えてください。
- やはり景気の動向を受けてなのか、離職者向けの職業訓練に関連する講習のお仕事が増加傾向にあります。逆に、受講者が自分で費用を支払うようなパソコンスクールは淘汰されつつあるようです。いま離職者向け職業訓練の受講を希望する人が増えているので、職業訓練という枠で語るインストラクションについてはお仕事が常に発生している状況です。また、内容も自治体がきちんと講義クオリティを保つよう管理しているので、講義内容は毎回ブラッシュアップされています。ですから、ITインストラクターとして経験を積みたいと考えている方にとっては、いままさにステップアップのチャンスです。
- 未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
- まったくの未経験からITインストラクターに就業するというのは、少し難しいように思います。まずは、MOSの資格を取得し、比較的就業しやすいパソコンスクールのアシスタントレベルからスタートすると良いのではないでしょうか。その後、派遣会社の研修制度を活用するというのも一つの方法です。最初はアシスタントインストラクターとして補佐的な立場で就業し、どのように講義を進めていくかを学んでいく必要があります。得た知識を人に教えるには、努力が必要です。
また、ヘルプデスク経験のみ、社内ヘルプデスク経験のみという方でも、知識とコミュニケーションスキルをお持ちであれば即戦力として採用されるケースがあります。これらのお仕事は、IT系職種の中でも相手に操作方法を教えるなど、コミュニケーションスキルが必要とされるものです。そのため、伝える力を磨けば、就業できる可能性はかなり高いと言えます。 - どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
- 2011年時点で、時給アップに直結する資格はITパスポート、MOS2010とMOS2007です。あればなお良い資格でいえば、基本情報技術者やシステムアドミニストレータ、ネットワーク系の資格であるCCNA、CCNP。変化の激しいIT業界だけに、価値のある資格は、その時によって変わります。ですから、時給アップを狙うのであれば、常に情報収集をし、時代の変化を把握しつつ、取得を目指したほうが良いですね。
また資格が未取得であっても、サービス業界で人との礼節を保つスキルを磨いてこられた方、PCの知識が豊富であれば就業のチャンスがあると思います。 - このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
- ITインストラクターは、ある意味サービス業です。人と接する力があり、ビジネスパーソンとしての意識・立ち振る舞いができる方が求められます。まずは、相手に聞く姿勢になってもらう雰囲気をつくる。そして、どうやって説明すれば伝わるかを考える。さらに、回を重ねるごとに講義内容をブラッシュアップしていく。プロフェッショナルとしてそういった努力をし続けていける方は、ご活躍できると思います。