ネットワークエンジニアのオシゴト

現在、担当している仕事内容を詳しく教えてください。

国際VPN網の構築業務全般を担当しています。担当するほとんどが大手企業で、海を越えて企業の拠点同士をつなぐネットワークをつくり上げています。日本とアジア圏内である中国やインドというケースもありますし、ヨーロッパ諸国やアメリカ、ブラジルなど日本と時差のある国ともやり取りをしながら進めていかなければならないこともあります。

プロジェクトへの関わり方はさまざまで、提案段階から営業に同行してテクニカル面をサポートすることもありますし、受注後にお客さまの現状と要望を伺って調整する段階から携わることもあります。設計段階になったら、その後の工事スケジュールの調整をしたり、完成間近にはトラブルがないかを最終的にテストするなど携わる仕事の領域は幅広いです。大体、一つのプロジェクトの期間は半年くらいで、構築が完了したらその後は運用・保守の部門に業務を移行します。

このお仕事を選ばれた理由を教えてください。

興味があったということが一番の理由です。前職では請求書処理など一般的な事務をしていて、その間にネットワークなどに触れる機会があったので興味を持ちました。そこで大規模ネットワークなどの運用に役立つCCNP資格にチャレンジしたのです。無事に合格し、そのスキルや知識を活かせる仕事を探しました。実務未経験ではありましたが、資格が武器になり、ネットワークエンジニアの仕事に就くことができました。

ネットワークエンジニアのお仕事のやりがいは、どんなところですか？

世界各国にある大企業のバックボーンを作るというスケールの大きな仕事なので、充実感を味わえます。中国・インドをはじめとするアジアやヨーロッパ、南米などさまざまな国とのネットワーク構築に携わってきました。ネットワーク構築の全面の切り替えに際して中心となり、チーム・営業・お客さまと話し合いを重ねていくなど、ある程度の責任がある仕事なのでその点も面白いと感じています。

海外の国とのやり取りが多くあるので、相手国の文化や商慣習などを理解しながら進めていかなければなりません。たとえば、「サーバを置くラックがない」「漏電して停電」「ルータが税関に引っかかって届かない」…このように次々とトラブルが起こってはそれを解決していく必要があります。大変だった分、無事に納品できた時の喜びはひとしおですね。一番やりがいを感じる瞬間はプロジェクトを成功に導けた時です。

また、他のプロジェクトで大型の回線に障害が発生し、その緊急対応の際に呼ばれて急遽対応したこともあります。そのように、一緒に働く仲間からも信頼されるというのは嬉しいことです。

お客さまにとっては、通信できて当たり前。何か不具合が生じてしまうとお客さまのビジネスに支障が出てしまうこともあるので、常に細部にも気をくばらなければなりません。一つ一つのことを積み重ねた結果、営業づてではありますが、普段は細かいことに要望を出してくるお客さまからねぎらいの言葉をいただいた時は嬉しかったですね。

このお仕事に役立ったこれまでの経験やスキル、資格はありますか？

ネットワーク全般の知識はやはり共通認識として把握している必要があります。資格は選考の段階でもプラスの評価をされると思います。私が取得しているCCNPやCCIEは実務でも役に立っています。

ただ、そういった知識と実務とでは大きなギャップがあるのも事実。やはり机上の勉強だけでは難しい部分があります。分からないことに対して興味を持てるかどうかが大切。技術というのは進歩していくものなので、最新技術の情報に関しては常に収集していく必要があります。

また、私が担当しているのは国際ネットワークなので現地の人とコミュニケーションをとりながら進めていくことが多いため、このような仕事の場合は英語が出来たほうが良いです。

このお仕事を通じて、新たに身に付いたスキルがあったら教えてください。

そもそも、回線はどのような種類があり、どうやって世界が繋がっているのか。VPNというネットワークやその他のネットワークについての知識が深まりましたし、陸上や海底ケーブルの仕組みも理解することができました。

また、海外の習慣や考え方などへの対応方法も自然と身につきました。たとえば、時間にあまり縛られていない相手には、早めの〆切りを伝えるなど、どうすればプロジェクトがうまくいくかというところを念頭において柔軟に対応するスキルが身についたと思います。

このお仕事を目指す人にひとことお願いします！

やはり知識と経験は就業する際やプロジェクトを進めていく上でベースとして必要なことですが、何よりも新しいことに興味を持てることがとても重要です。常に知識のUpdateを行えること。これがこの仕事をしていく上で大切になってきます。また、自身の考え方や方法はそれぞれあると思いますが、いろいろなお客様がいらっしゃるので時には相手の考えや価値観を受け入れ、合わせることも大切ではないでしょうか。