- DTPオペレーターで多いお仕事の内容について教えてください。
- 広告やパッケージ、パンフレット、カタログ、チラシ、雑誌、書籍などの制作に携わることが多い仕事です。ディレクターやデザイナー、コピーライター、印刷用の原版を仕上げるレタッチャーたちと一緒に、プロジェクトを進めていきます。DTPオペレーターは、デザイナーがデザインしたビジュアル情報とライターが考えた文章などを決められた通りにレイアウトしていくことが仕事。一例ではありますが、新商品の広告イメージのビジュアルの案出し(Photoshopを使ったデザイン案の作成)や、決定したビジュアルを各種媒体に展開するレイアウト作業、版下作成業務などがあります。
また、担当する業界によって仕事を進めるスピード感がかなり異なってきます。たとえば、広告業界であれば、一つの制作物に対して限られた中でも比較的長いスパンで考えて制作していくことが多いで すが、流通業界であれば表現よりもとにかくスピードが重視されることが多いです。スーパーやデパート、旅行会社のチラシなどは、競合他社より少しでも商品の価格を下げる必要があります。ギリギリまで印刷を待って直前でデータを差し替えるということも。そのような仕事は、スピーディにレイアウトを組むということが求めら れます。 - DTPオペレーターのお仕事の傾向について教えてください。
- 最近では広告、出版業界が景気の影響を受け、Web媒体に比べると紙媒体に関連する求人ニーズのほうが低迷しているように思います。とはいえ、一部の広告においては依然としてニーズがあり、日用品や嗜好品などの一般消費材に関する広告・パッケージなどに関連するDTP業務は比較的募集があります。一般消費材は、多少景気が悪くても、日頃から売れているもので各企業が多額のプロモーション費用を投じます。たとえば、飲料のプロモーションを手がける場合、広告用のポスターやレジ周りのステッカー、陳列棚のポップ、のぼりなど、一つのビジュアルをいくつもの形に展開していきます。経験が活きる仕事なので、経験者が優遇される傾向にありますね。
- 未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
- 未経験からDTPオペレーターにチャレンジするのは、ハードルが高いと言わざるを得ませんが、それでも就業を目指すのであれば、業界によってそれぞれ方針を変えて臨む必要があると思います。
たとえば、出版業界での就業を目指すのであれば、スクールなどでエディトリアルデザインの基礎スキルを身に付け、その上でアルバイトなどでまずは実務経験を積むと良いでしょう。その後、より良い待遇・希望内容へとステップアップするのが近道です。派遣社員としてDTPオペレーターを全くの未経験から募集するというケース はほどんどありません。広告業界でも同様、未経験の方のハードルは高いです。この場合も、アルバイトなどでまずは広告プロダクション、デザイン事務所などの門をたたくと良いかと思います。何よ りも、実務経験が重視される世界ですので、まずは経験を積むことが大切です。
その他、前職で培ったDTP・デザイン以外の経験がフックとなって就業に結びつくこともまれにあります。たとえば、進行管理の能力や英語力、コミュニケーション能力などですね。DTPスキルがあるのは、大前提。その上で、DTPスキル以外も磨いておくとアドバンテージになることがあります。
また、クリエイティブ業界は残業などが多めのお仕事が多く、20代~30代のメンバーが多く活躍しています。ですから、そういった会社のメンバーとも上手くコミュニケーションをとれる人が求められ る傾向にあります。 - どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
- 資格は特にありません。経験としては他のDTPオペレーターが持っていないないようなスキルを持っていると時給アップにつながることがあります。具体的にお伝えすると、語学力やInDesignの実務経験、3DCGソフトウェアの実務経験、Photoshopの卓越したスキルなどですね。語学力があれば活躍の幅が広がります。以前はQuarkXPressが主流だったのですが、数年前からはInDesignでのデータを受け取る印刷会社が増え、メジャーになりつつあります。これからDTPオペレーターを目指す方は、InDesignが必須になるのでまずはこのスキルを身につけると良いのではないでしょうか。そしてPhotoshopの卓越したスキルは、レタッチャーと呼ばれる人に特に求められるスキルです。DTPオペレーターとレタッチャーを兼務する場合もあるので、そのようなポジションの募集ではスキルがあれば、就業できる可能性も高くなります。
- このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
- お仕事を依頼してくださるクライアントの要点を素早く理解し、ズレの少ないアウトプットを出せる方が求められます。コミュニケーション力が必須の仕事です。また、スキル的な部分では、Illustrator、Photoshopに熟練していて、ショートカットなどを駆使し、早くて正確なレイアウトを組める方だと、次々と仕事を依頼されることでしょう。それから、納期を守るために作業を進められる方ですね。時には急な変更などで残業をしなければならないこともあると思いますが、そんな大変な中でも責任を持って仕事に向き合える方であればご活躍できますね。制作が好きではないとできない仕事だと思います。