- Webディレクターで多いお仕事の内容について教えてください。
- Webサイトを作る上での取りまとめ役です。Webデザイナーやコーディングスタッフ、フラッシャーなど専門職のメンバーに対し、スケジュール管理や品質管理、予算管理などを行っていきます。時にはお客さまと実際に打ち合わせを行ない、企画提案や進捗報告といった対外的な仕事も発生します。仕事の中で、技術面など専門的な指示を出す必要があるため、自分自身ができる必要はありませんが、デザイン業務やコーディングの中身についても、きちんと理解していることが望ましいです。理解していれば、深いところでお互いの意思疎通が図ることができます。
- Webディレクターのお仕事の傾向について教えてください。
- リーマンショック以降、企業の投資費用が抑えられている現状において、Webサイトの新規制作やリニューアルにおける予算も縮小傾向にあります。一方でWebサイトなど双方向のコミュニケーションが可能なインタラクティブメディアの費用対効果は、テレビや新聞、ラジオといった媒体よりも優れていることが広く認知されているため、仕事の件数は一時期よりは増加傾向にあります。特に金融業界などはだいぶ景気が回復しており、新規顧客の開拓に向けてWebサイト制作の需要が少しずつ増えているように感じています。
また、Webサイトの制作会社では、正社員を雇い入れて教育する余裕がないケースが多く見受けられ、代替案として実務経験に富んだ派遣社員のWebディレクターを採用することがここ近年の傾向です。
とはいえ、未経験の方にチャンスがない訳ではありません。紙媒体などのディレクション経験があり、さらにスクールなどでWebのスキル・知識を身につけた方であれば実務未経験でも就業できる可能性があります。また、独学やスクールなどで学んだという方の場合は、まずはWebデザイナーや制作の経験を積むと良いと思います。 - 未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
- 先にもお伝えしましたが、まずは何の経験も持っていない方がWebディレクターになるには、Webサイトの制作スタッフとして現場レベルでの実務経験が必要となってきます。その為には、Illustrator、Photoshop、Dreamweaver、HTML、CSS、Flash、 ActionScriptなどの専門技術を習得するために、専門スクールに通うことをオススメします。その後、3~5年ほど現場で実務経験を積んだ上で、ディレクターへステップアップしていくことが一番ではないでしょうか。
- どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
- 資格は特に必要ありません。何よりも経験と実績が時給アップの鍵となります。大人数のプロジェクトチームを取りまとめ、大規模サイト(期間、ページ数、予算等)を手掛けてきたことが、この仕事の評価につながります。いずれは何かしらの業界に特化し、独特な業界ルールやトーン&マナーに精通することができれば、それは自分の強みになると思います。お客さまから名指しで仕事を引き受けるようになれば、Webディレクターとして一人前ですね。
- このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
- お客さまの意向やエンドユーザーの視点を持っている方です。ユーザーとしてどのようなWebサイトが使いやすいかということを、きちんと理解していることが大切です。どちらかと言うと、「自分が良いと思うものを生み出したい」という方はクリエイター向き。「みんなで協力して良いものを作りたい」という方はマネジメント向きだと思います。クリエイターやプログラマの中には、自身が良いと考えるデザインやソースコードで進めたがる人がいます。そういったエゴを是正する為にも、制作するWebサイトのベクトルをはっきりと明示し、カットオーバーに向けて妥協なくプロジェクトをマネジメントできる方にWebディレクターとしての適性があるのではないでしょうか。