- 翻訳に多いお仕事の内容について教えてください。
- 派遣マーケットでは、マニュアルや契約書の翻訳など、ビジネス分野での翻訳業務が多くなります。特に、IT、医療、金融業界では海外の企業からのノウハウ・技術の導入、日本企業の進出が活発なこともあり、需要が非常に伸びています。翻訳というと海外小説など文芸の分野での仕事をイメージされる方もいらっしゃいますが、文芸分野での仕事は著名な翻訳者に名指しで仕事が入るといった間口の狭い世界なので、求人はほとんどないといっていいでしょう。文芸の分野では語調やニュアンスを伝える素養を求められるのに対し、ビジネス分野での翻訳は語学力だけでなく担当する分野の専門知識を要求されることが多くなります。
- 翻訳のお仕事の傾向について教えてください。
- 近年はあらゆる業界で企業の活動がグローバル化していることもあり、翻訳の需要は増加傾向にあります。世界的公用語である英語はもちろん、最近では中国語や韓国語のニーズが増えています。中国はアジア圏の中でも経済成長がめざましく、日本への進出を考える企業も多いことが背景にあります。韓国は半導体・通信技術が進んでおり、日本企業が技術を導入するにあたりマニュアルなどの翻訳の必要がでています。
- 未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
- プロフェッショナルとして通訳業務・翻訳業務で活躍されている方に伺うと、初めは外資系や海外取引の多い企業での外国語事務や秘書業務といった仕事の中で、社内通訳・社内翻訳の仕事を任されるようになり、それがきっかけで経験を積み、フリーランサーとして独立される方が多いようです。辞書にも載っていない専門用語を訳すこともしばしばなので、用語集や業務マニュアル、OJT制度を用意して受け入れ環境を整えている職場も多くあり、翻訳業務経験がなくても、業界や専門用語の知識があれば強みになるでしょう。また、経験と並行して通訳・翻訳のスクールに通ってスキルを身に着けていると評価してもらいやすいと思います。
- どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
- TOEICや各国語の検定は、選考条件として目安となることはありますが、取得スコアや等級そのものが時給アップに繋がることはほとんど無いと捉えております。時給アップの決め手は、特定分野での経験値と専門知識によるものが大きいでしょう。業務の高度化・専門化に伴い、企業が求める専門知識の水準は年々上昇しているため、知識を深める努力を続けることが鍵となるでしょう。
- このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
- 経験を積んでも新しい知識や情報を取り入れる努力を惜しまない向上心が求められます。外国語であっても日本語であっても、言葉の使い方は日々変わっています。特定分野の専門用語以外にも常に新しい言葉や表現、情報を吸収しなくてはならないというのはとてもタフなことですが、日々の積み重ねが活躍の場を広げることになると思います。