- スーパーバイザーに多いお仕事の内容について教えてください。
- スーパーバイザーのお仕事は、オペレーターのマネジメントがメインとなります。具体的には、オペレーターでは難しいお問い合わせへの対応や通話内容のモニタリング、勤怠管理、全体のモチベーション管理、研修の実施、大抵の問い合わせに対応できるトーク集の作成などです。実はバックオフィス業務も多く、総受電件数や応答率、稼働率の分析、売上管理、目標管理の設定なども行ないます。そのため、ExcelやWordのスキルが必要です。特にコールセンターのオープン時であれば、データや数字を管理するフォーマットをゼロから作成しなければなりません。
仕事内容はコールセンターの規模や体制にもよりますが、センターの事業モデルの把握やクライアントへの報告・提案・交渉など幅広い業務を担うこともあります。センターの事業モデルを把握することで自分の部署が目指すゴールを見据えることができ、お客さまとも目的の共有が可能になります。大枠を見据えた上で、どのように部署を運営していくかを考え、実行することが求められます。 - スーパーバイザーのお仕事の傾向について教えてください。
- 例年に比べ、電力・ガス、地方自治体、学校など公的なお客さまのサービスをサポートするコールセンターでのお仕事が増加しています。背景には、新サービスの開始はもちろんのこと、公的・民間に関係なく顧客満足への意識が高くなったことが挙げられます。
また、コールセンターに寄せられたお客様の声をヒントにサービスの改善や新開発に活かす企業が増えており、その貴重な情報の収集拠点としてコールセンターの役割が重要視されています。
最近では、電話を受けるインバウンドコールセンターでも利益を生み出すための動きが求められています。単なる消費者へのサービスや情報提供で終わるのではなく、コールセンターを消費者とのコミュニケーションを図る重要セクションと捉える。問い合わせの中から潜在的なニーズを見極めて製品をPRするインバウンド・セールスが実践されています。
営業的な要素を加えた幅広い対応が個々のオペレーターに求められるため、スーパーバイザーの仕事内容にも変化が出始めています。応対品質を保つことに加え、新たな実務知識の教育・研修にも取り組まなければなりません。扱うサービスや商品、業界知識が必要になるので、その部分もフォローしていくことが求められています。 - 未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
- スーパーバイザーは、経験や豊富な知識が求められるお仕事なので、まずはコールセンターのオペレーターから始めることをオススメします。やはりコールセンターの仕組みを理解し、電話での対応スキルが必須なのでオペレーターの経験がないと厳しいかもしれませんね。ただ、管理者経験や人材教育経験など、人と携わりながらマネジメントを行なってきた経験があれば未経験でも優遇されると思います。
- どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
- それぞれのコールセンターによって評価の軸は多少異なりますが、スーパーバイザーとしての勤続年数や業務量の増加、一次対応から難易度が上がる二次対応にポジションが変わった時などに時給が上がる場合があります。他には、資格をお持ちであるとプラスの評価を受けることがありますね。たとえば、証券外務員や薬剤師、看護師など。金融業界や医薬業界などのコールセンターが多くあるので、資格保有者は優遇されることが多いです。
また2010年6月に「全国版コールセンター資格認定制度」がスタートします。この資格を取得することで一定のコミュニケーションスキルを満たしているという目安になるため、アピールできるのではないでしょうか。 - このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
- コミュニケーション能力、指導力、判断力、前向きな姿勢など、求められるものを挙げればきりがないかもしれません。面談の際には、これまでの経験を伺い、どのくらいの規模のメンバーをまとめていたか、どのようなメンバーをまとめていたかなどを伺っています。経験の幅によって対応できる幅も決まってくるので、経験が豊富な人材は求められますね。
また、一つ確かなことは、成果を上げているコールセンターは人間関係が円滑だということです。それは現場の舵取りをしているスーパーバイザーの存在によるところが大きいのではないでしょうか。相手の立場に立って考えることができる、気くばりができる、相手の長所を見つけて伸ばすことができるなど、人間性の部分が重要になってくると思います。初めから完璧な人はいないので、オペレーターやセンター全体と共に成長していきたいと意欲をお持ちの方であればチャンスは広がります。