派遣先
はけんさき
【派遣先】とは、あなたが実際に働く職場となる企業のことです。「就業先」とも呼ばれます。派遣の働き方は、あなた(派遣スタッフ)、派遣会社、そして派遣先企業の三者で成り立っています。それぞれの関係性を理解することが重要です。
・派遣元(派遣会社)
あなたと雇用契約を結ぶ会社です。給与の支払いや社会保険の手続き、福利厚生の提供などは、雇用主である派遣元が行ないます。
・派遣先(就業先の企業)
あなたが実際に通勤し、業務を行う会社です。日々の仕事の指示は、派遣先の担当者(指揮命令者)から受けます。
⇒つまり、給料を支払うのは「派遣元」、仕事の指示を出すのは「派遣先」と覚えておくと分かりやすいです。
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■派遣先が担う主な役割
派遣先企業は、あなたに対して主に以下のような役割を担います。
・業務の指揮命令
配属部署の上司や先輩社員(指揮命令者)が、具体的な仕事内容や手順を指示します。
・勤怠管理
日々の出退勤や休憩時間、時間外労働(残業)などを管理し、タイムシートの承認を行います。
・安全な職場環境の提供
あなたが安全で健康的に働けるよう、職場環境を整える義務があります(安全配慮義務)。
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■困ったとき、派遣先と派遣元、どちらに相談する?
仕事をしていると、様々な悩みが発生することもあります。その際、誰に相談すべきかを知っておくことは非常に大切です。業務の進め方など、日々の仕事に関する「ホウ・レン・ソウ」は派遣先の指揮命令者に行ないますが、それ以外の悩みやトラブルは、まず雇用主である「派遣元(派遣会社)」の担当者に相談するのが基本です。
【派遣元に相談する内容の例】
・契約内容と違う業務を頼まれた
・職場の人間関係で悩んでいる
・パワハラやセクハラなど、ハラスメントを受けている
・仕事量が多すぎて、時間内に終わらない
・時給や契約更新など、契約条件に関する相談
⇒派遣元の担当者は、あなたと派遣先企業との間に入り、問題が解決するように調整してくれます。派遣先に直接言いにくいことでも、一人で抱え込まずに、まずはあなたの味方である派遣元の担当者に連絡しましょう。
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■派遣先で直接雇用されることもある?
派遣先から「うちの会社の正社員にならないか」と直接雇用のオファーを受けるケースもあります。もしそのような話があった場合は、勝手に話を進めず、必ず派遣元の担当者に報告・相談してください。派遣という働き方の仕組みを正しく理解し、派遣元と派遣先、それぞれの役割を知っておくことが、安心して働くための第一歩です。