年次有給休暇
ねんじゆうきゅうきゅうか
【年次有給休暇】(以下、有給休暇)とは、給料が支払われる休みのこと。正社員や派遣社員、パート・アルバイトなど、すべての労働者に与えられた権利です。心身のリフレッシュや、プライベートの用事のために利用できます。
ここでは、派遣社員が有給休暇を取得するための条件や日数、申請方法について分かりやすく解説します。
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■有給休暇の取得条件
派遣社員も、以下の両方の条件を満たすことで、有給休暇を取得する権利が発生します。有給休暇は、雇用主である「派遣会社(派遣元)」単位で管理されます。そのため、派遣先が変わっても、同じ派遣会社との雇用契約が継続していれば、有給休暇の残日数や勤続年数は引き継がれます。
【1】同じ派遣会社で、働き始めてから6ヶ月以上継続して勤務していること
【2】その期間の全労働日の8割以上出勤していること
⇒この条件を満たすと、まずは10日間の有給休暇が付与されます。その後は、継続勤務年数に応じて付与される日数が増えていきます。
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■付与される日数は?
以下のように付与されます。週の勤務時間・日数によって、年次有給休暇が付与される日数が変わります。
【1】週5日勤務(または週30時間以上)の場合
▼継続勤務年数 付与日数
・6ヶ月 :10日
・1年6ヶ月 :11日
・2年6ヶ月 :12日
・3年6ヶ月 :14日
・4年6ヶ月 :16日
・5年6ヶ月 :18日
・6年6ヶ月以上 :20日
【2】週4日以下の勤務(かつ週30時間未満)の場合
▼週の勤務日数(6ヶ月後・1年6ヶ月後・2年6ヶ月後)
・週4日 7日 8日 9日
・週3日 5日 6日 6日
・週2日 3日 4日 4日
・週1日 1日 2日 2日
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■有給休暇の申請方法
有給休暇を取得する際は、「派遣先」と「派遣元」の両方への連絡・調整が必要です。有給休暇を取得したい日が決まったら、できるだけ早めに相談・申請するのがマナーです。直前の申請は、業務の調整が難しくなるため避けましょう。
【一般的な申請の流れ】
▼派遣先の指揮命令者(上司など)に相談
まずは、実際に働く派遣先の上司に「〇月〇日に有給休暇をいただきたいのですが、よろしいでしょうか?」などと相談し、業務に支障がないか調整します。
▼派遣元の担当者に連絡・申請
派遣先の了承を得たら、雇用主である派遣元の担当者に連絡し、正式な申請手続きを行ないます。申請方法は、派遣会社のWebシステムや申請書など、定められたルールに従います。
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■よくある質問
Q. 派遣会社を変えたら、有給休暇はリセットされる?
A. はい、リセットされます。有給休暇は派遣会社単位で管理されるため、別の派遣会社に移った場合は、勤続年数もリセットされ、新しい派遣会社で改めて6ヶ月以上勤務しないと有給休暇は付与されません。
Q. 契約終了時に残った有給はどうなる?
A. 契約期間内に消化するのが原則です。消化しきれずに退職する場合、残った有給休暇は消滅します。有給休暇の買い取りは法律上の義務ではないため、派遣会社によって対応は異なります。残日数が多い場合は、早めに派遣元の担当者に相談しましょう。
Q. 有給休暇に有効期限はある?
A. あります。有給休暇の権利は、付与された日から2年間で時効により消滅します。
有給休暇は、働くあなたの心と体をリフレッシュさせるための大切な権利です。計画的に取得し、充実したワークライフを送りましょう。取得に関して困ったことがあれば、一人で悩まず、まずは派遣元の担当者に相談してください。