年末調整
ねんまつちょうせい
【年末調整】とは、毎月の給与から天引きされている所得税の過不足を精算する手続きのこと。年末に行ない、払いすぎていた税金が還付されたり、不足分を徴収されたりします。
ここでは、派遣社員の年末調整について、その仕組みや手続きの流れを分かりやすく解説します。
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■【重要】派遣社員の年末調整は誰がやる?
結論から言うと、雇用主である「派遣会社(派遣元)」が行ないます。実際に働いている「派遣先企業」ではないので、注意しましょう。
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■年末調整の対象となる条件
派遣会社で年末調整を受けられるのは、原則として以下の条件を満たす方です。
【1】12月31日時点で、その派遣会社と雇用契約があること
【2】その派遣会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していること
【3】その年の給与総額が2,000万円以下であること
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■手続きの一般的な流れ
▼派遣会社からの案内(10月~11月頃)
年末調整の対象となる方に、派遣会社から手続きに関する案内がメールや郵送で届きます。
▼必要書類の提出
案内に従って、以下の書類を記入し、派遣会社へ提出します。提出方法は、Webシステム上での入力や、書類の郵送など、派遣会社によって異なります。
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の保険料控除申告書 など
・控除証明書などの添付
・生命保険や地震保険に加入している方、iDeCo(個人型確定拠出年金)を支払っている方などは、保険会社などから送られてくる「控除証明書」を添付して提出します。
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■よくある質問(派遣社員ならではのケース)
Q. 年の途中で派遣会社を変えた/複数の会社で働いていた場合は?
A. 年末調整は、1社でしか行なえません。
原則として、12月31日時点で在籍しているメインの派遣会社で行ないます。それ以外の会社で働いた分の給与については、各社から「源泉徴収票」を取り寄せ、それらをすべて合算して、ご自身で「確定申告」を行なう必要があります。
Q. 12月を待たずに契約が終了した場合は?
A. 年末調整の対象外となります。退職時に派遣会社から「源泉徴収票」を受け取り、ご自身で「確定申告」を行ってください。
Q. 手続きに間に合わなかったら?
A. この場合も、ご自身で「確定申告」をすることになります。派遣会社から「源泉徴収票」をもらい、翌年の確定申告期間(通常2月16日~3月15日)に手続きを行いましょう。
年末調整は少し複雑に感じるかもしれませんが、税金が戻ってくることもある大切な手続きです。案内が来たら後回しにせず、不明な点があれば早めに派遣会社の担当者に確認するようにしましょう。