コンプライアンス
こんぷらいあんす
【コンプライアンス】とは、ビジネスの場では単に法律を守るだけでなく、社会的なルールや倫理観に従って、公正・公平に業務を行なうこと全般を指します。英語では「法令遵守」と訳されます。
「なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、これは派遣社員として働くあなた自身を守り、信頼されるプロフェッショナルとして活躍するために不可欠な知識です。コンプライアンスを守ることは、企業のリスク管理だけでなく、あなた自身が安心して働き、信頼される社会人としてキャリアを築いていくための土台となります。基本的なルールを正しく理解し、日々の業務に取り組みましょう。
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■派遣社員が特に意識すべきコンプライアンス
派遣社員として働く上で、特に注意すべき代表的なルールを4つご紹介します。
【1】情報漏洩の禁止(機密保持義務)
派遣先の業務で知り得た情報を、許可なく外部に漏らしてはいけません。これには、顧客情報や新商品の情報、社外秘の資料などが含まれます。
▼NG例
・友人や家族に、仕事で知った有名人の来店情報などを話す。
・職場のパソコン画面や資料を撮影し、SNSに投稿する。
・業務で使っているデータを、個人のUSBメモリなどに無断でコピーして持ち帰る。
【2】ハラスメントの禁止
職場で他の人を不快にさせる言動は、ハラスメントにあたります。自分が被害者にならないことはもちろん、意図せず加害者になってしまうことがないよう、注意が必要です。パワーハラスメント(パワハラ)やセクシュアルハラスメント(セクハラ)などが代表例です。
【3】著作権などの知的財産権の尊重
業務で資料を作成する際に、インターネット上の画像や文章、他社のロゴなどを無断で使用してはいけません。これらは著作権などの権利で保護されています。必ず、著作権フリーの素材を使うか、正規の手続きを経て使用許可を得る必要があります。
【4】SNSの適切な利用
個人のSNSアカウントであっても、職場の内部情報や、同僚・取引先の悪口などを書き込むのは絶対にやめましょう。たとえ非公開アカウントでも、情報が外部に漏れるリスクは常にあります。軽い気持ちの投稿が、会社やあなた自身の信用を大きく損なう原因になりかねません。
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■もし、コンプライアンス違反を見つけたら?
もしあなたが、派遣先でコンプライアンスに反する行為(ハラスメントを受けた、契約外の業務を強要されたなど)に直面したり、目撃したりした場合は、一人で抱え込まず、まず雇用主である「派遣元(派遣会社)」の担当者に相談してください。
派遣元の担当者は、あなたのプライバシーを守りながら、事実確認を行い、あなたに代わって派遣先企業との間に立って改善を求めてくれます。派遣先に直接言いにくいことでも、あなたの味方である派遣元の担当者には正直に話すことが、問題解決への第一歩です。