指揮命令者

しきめいれいしゃ

【指揮命令者】とは、派遣先企業において、直接仕事の指示（指揮命令）を出す人のことです。配属された部署の上司や先輩社員がその役割を担うケースが多いです。

派遣の働き方は、雇用契約を結ぶ「派遣会社」と、実際に働く「派遣先企業」が異なります。そのため、給与の支払いや社会保険の手続きは雇用主である派遣会社が行ないますが、日々の業務に関する指示は、派遣先企業の指揮命令者から受ける、という仕組みになっています。指揮命令者は、派遣会社から交付される「就業条件明示書」にも必ず記載されています。

-----

■具体的な役割
指揮命令者は、主に以下のような役割を担います。

・日常業務の指示
「このデータ入力をお願いします」「〇〇の資料を作成してください」といった、具体的な仕事の指示を出します。

・業務の進め方の指導
仕事の手順や、社内システムの操作方法など、業務を遂行する上で必要な指導や教育を行ないます。

・勤怠の管理
日々の出退勤や休憩時間などを管理し、タイムシートの承認などを行ないます。時間外労働（残業）や休日出勤の指示も指揮命令者から出されます。

-----

■困ったとき、誰に相談すればいい？
仕事をしていると、様々な疑問や悩みが出てくるものです。その内容によって相談すべき相手が異なるため、正しく理解しておきましょう。

【指揮命令者に相談すること】業務をスムーズに進めるための、日々の「ホウ・レン・ソウ（報告・連絡・相談）」は指揮命令者に行ないます。
▼相談例
・仕事の進め方で分からないこと
・業務の優先順位の確認
・業務上必要な備品（文房具など）の依頼

【派遣会社の営業担当に相談すること】指揮命令者に直接言いにくいことや、契約内容に関わることは、あなたの雇用主である派遣会社の営業担当に相談するのが基本です。
▼相談例
・契約内容と違う業務を頼まれたとき
・指揮命令者や他の社員との人間関係の悩み
・セクハラやパワハラなどのハラスメントに関する相談
・契約更新や時給、有給休暇など、契約条件に関する相談
・仕事量が多く、時間内に終わらないとき
⇒特に「契約にない業務を頼まれた」場合は、自分で判断せずに必ず派遣会社の営業担当に連絡してください。担当者があなたに代わって派遣先企業と調整を行なってくれます。

指揮命令者と派遣会社の担当者、それぞれの役割を理解し、上手に連携することで、安心して働ける環境を整えることができます。困ったときは一人で抱え込まず、適切な相手に相談しましょう。