派遣のお仕事クローズアップ
人気の職種を徹底解剖!先輩スタッフさんや派遣会社の担当者に独自インタビューするコーナーです。

編集・校正・制作のオシゴト

編集者はいわば料理人。素材の美味しさ=魅力を引き出すのが仕事です。女性 / 32歳
職種名
編集
仕事内容
育児誌の編集(特集記事の企画・編集、取材・ライティング)
プロフィール
年齢
32歳
お仕事経験
編集、ライター、企画営業
資格・特技
企画プレゼン力、ライティングスキル、料理
現在の派遣先
育児誌専門の編集制作会社
派遣会社
株式会社マイスタッフ
収入
平日5日勤務、時給1700円(残業は月により変動あり)
現在、担当している仕事内容を詳しく教えてください。
1歳~3歳代のお子さんとママを対象とした育児誌の編集部に在籍しています。現在は先輩のアシスタントとして、特集記事の企画・編集に携わる他、読者投稿をもとにした取材や原稿のライティングなども行なっています。手がけたものが書店に並ぶので、仕事の成果が見えやすいですね。
このお仕事を選ばれた理由を教えてください。
編集の仕事を意識したのは10代前半。子どもの頃から興味を持っていたお仕事だったので選びました。父が総合出版社に勤務しているため、幼い時からゲラを再利用したメモ用紙に絵を描いて遊んだり、勉強したりしていたのですが、紙の裏側に興味を持ち始めたのです。父が持ち帰る書籍や雑誌、コミックほか、あらゆる年代向け・ジャンルの出版物に囲まれる生活が当たり前でした。

就職活動の時期はちょうど氷河期にあたり、出版業界はあきらめかけたのですが、縁あって編集プロダクションに入社が決定。女性をターゲットとした特集ものや旅、インタビュー、食、経済、読者取材など、ライター兼編集者として基礎を学びました。文章や編集スキルはもちろんですが、編集者として大切な「相手のことを書く」という仕事への向き合い方を学べたことは大きかったです。

その後大手食品メーカーをクライアントとする広告代理店での企画営業・編集や書籍出版社での編集職を経て、今回は初めて派遣社員として編集の仕事に携わっています。

もともと食に関すること、料理が好きで、これまではレシピ本などのジャンルにこだわって仕事を選んできましたが、いまではジャンルにこだわらずに色々なプロセスに携わって自分の幅を広げてキャリアを積みたいと考えています。
編集のお仕事のやりがいは、どんなところですか?
編集者が制作したものは、必ず人目に触れることになります。何らかの評価が返ってくるということがやりがいですね。評価は良いものでも悪いものでも嬉しいです。自分たちが予測したことと、できあがったものへの反応にズレがあったとしても、次に活かせるものとして自分の中に蓄積してより良いものを作りたいと考えています。

これまで企業広報誌やフリーペーパーの制作に携わっていたのですが、今手がけているのは書店で販売される雑誌です。読者がお金を払って購入するので評価が見えやすく、仕事の醍醐味を味わえます。

また、さまざまな分野の有識者から国内各地で生活されている読者、はたまた芸能界で活躍されている方まで、幅広くお会いすることができます。一期一会のつもりで共有する時間を大切にしています。常に刺激があるのも魅力ですね。

制作物の完成度や締め切りへの責任もあるので急な変更などには対応力が必要になります。そういう部分は大変だと感じますね。ただ、経験を積むことでにスムーズに段取りを組み、進めるチカラがつくので、それがまた自分のキャリアにつながると思います。
このお仕事に役立ったこれまでの経験やスキル、資格はありますか?
物事を先読みし、常に起こり得るリスクを想定して行動するチカラが役に立ちました。編集のお仕事は必ず締め切りがあり、限られた時間内に最良のものを作らなければなりません。時には、お客さまと話し合って積み重ねてきた内容が、事情が急遽変わって一気にひっくり返ることも。そのことによるリスクや納期のズレを最小限にとどめるために、物事を先読みし、起こり得ることを想定しながら業務を進めていくスキルは欠かせません。

さらに私の場合は、広告代理店での企画・営業経験が現在も役立っています。というのも、出版物には広告が欠かせませんが、企業の広報部署がどのような仕組みを持っているのか知り得たことは財産です。データ分析の大切さを知り、一歩引いた物事の見方や企画の立て方を習得しました。そういった経験が編集の仕事に活かすことができています。

また、職種は編集でなくても、手がける制作物と関連する業界や分野での何らかの経験があれば活かすことができると思います。
このお仕事を通じて、新たに身に付いたスキルがあったら教えてください。
私の場合は、これまで料理や健康分野での仕事が長かったので、子育てというジャンルそのものが新鮮です。会社によって仕事を進めるプロセスが異なりますので、学ぶところは多くあります。

編集者は職人気質の方が多く、どんなに多忙であっても、よく面倒を見てくださる先輩がたくさんいらっしゃいます。もちろん自分が頑張ることが前提なのですが、今まで育てていただいた分、私もしっかりお返ししなければと思います。
このお仕事を目指す人にひとことお願いします!
編集のお仕事に対して、ずっとデスクに向かっているというイメージを持っている方がいますが、実は取材が多いので外に出て人と会う時間も多いんですよ。また、ごくまれに思い違いをしている方がいます。それは、自分が伝えたいことではなく、相手のことを書くものだということ。情報を読み手に伝えるために100%のうち5%ほど自分の要素を加えて情報を送り出す感じですね。同じ材料でも作り手が違えば、出来上がった料理の味が違う。素材の良さを引き出せるかが腕の見せ所。編集の仕事は料理人に似ていると思います。

そして、編集といっても扱うジャンルは無限で、総合出版社や編集プロダクションによって規模もさまざま。私自身は小さな編集プロダクションからスタートしていますが、自分でやらなければならない範囲が広かったことが功を奏しています。求められたことに対して、いきなり「NO」と言わない。プロとしての仕事を求められるからには、どうすれば上手くいくかを考えてできる方法を探す。「なんでもやってみる」という気持ちが大切ではないでしょうか。

また、興味があるジャンルにこだわるのか、ジャンルを度外視して飛び込むのかは人それぞれでよいと思います。ただ、未経験の方であればまずはジャンルにこだわらずに探したほうが就業チャンスが広がりますね。そして就業したら、最初の2~3年は徹底的に基礎をつくると考えて、しがみつくことが大事だと思います。
派遣会社に聞いた!編集・校正・制作
編集・校正・制作に多いお仕事の内容について教えてください。
編集業務で多いのは原稿整理や校正、校閲の業務ですね。制作では文字や色の指定、色の校正、レイアウト、版下制作といった業務になります。校正は編集と制作の両者に必ず含まれる業務といえます。著者や印刷所など外部との折衝を含む進行管理という重要な業務もあります。その他、コピーやファイリング、原稿の受け渡し、連絡業務、原稿用紙・写真の整理等の多岐にわたる付随業務が存在します。未経験者や経験の浅い方は進行管理の補助や付随業務から手がけることになるケースが多いと思います。
編集・校正・制作のお仕事の傾向について教えてください。
紙の出版物は刊行点数やページ数が減少傾向にあります。紙からWebへの移行という大きな流れはもちろんですが、不況の影響で広告費の削減がかなり図られているため、市場は縮小していると言えます。ただ、医学・医薬などの業界は安定しているので、その分野であれば仕事の件数は横ばいという状況です。
また、現在、出版業界は電子出版時代という100年に一度の変革期を迎えています。業界が紙媒体のハイコストやハイリスクから開放される反面、編集・制作の現場ではスピードアップが要求されることは確実です。これにより編集や制作の仕事内容が拡大することは避けられないでしょう。具体的には、編集者は編集だけでなくWebのコーディングや音声の録音、写真・ビデオの撮影編集など、さまざまなスキルが求められるようになる可能性があります。さらに、他のメディアとの連携や営業、宣伝など様々な要素を考慮した上での制作スキルが必要になるかもしれません。編集プロダクションの中には、電子出版部門を一部署として独立させるような動きも始まっています。
未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
編集・校正・制作のお仕事は経験者が優遇される傾向にありますが、未経験であってもお仕事にエントリーをする段階からアピールすれば考慮されることも大いにあります。たとえば、文章を書くことが好きであることや精通している分野があることなどを前面に出してアピールすると良いでしょう。まさに広告のように自分を積極的に売り込んでほしいですね。
基本的な編集・制作のスキルを専門学校等で身につけてからチャレンジする方法はもちろん有効だといえます。特に校正技能は「級」等でランク付けされているため、一定のスキルを満たしている証になります。編集補助業務では編集に付随する事務的な業務が中心ですから、事務処理能力があれば通用するでしょう。制作では個人的な制作物でも、派遣先の業界・分野・テイストにマッチングすれば武器となります。
また、電子化により、編集・制作の業務内容が拡大していく中で、従来の編集業務の経験がなくても、今まで関係あるとは全く思われていなかった経験が意外と評価される可能性が広がるでしょう。
どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
何よりも時給アップにつながるのは、実務経験を積むこと。編集・校正・制作のお仕事は、キャリアを積み上げていくもの。ですからまずは経験を積むことを重視すると良いのではないでしょうか。
そして、DTPソフトのスキル・キャリアです。編集の仕事では、InDesignやIllustrator、Photoshopの基本操作。制作の仕事では、そのスピードとクオリティが求められます。
医療系の出版物を手がける場合は、英語力があると時給アップにつながる可能性があります。英検なら準1級、TOEICなら800点以上であれば業務の経験分野を問わずに評価されるでしょう。
このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
大きく分けて3つあります。1つ目は、高いコミュニケーション能力。編集・制作という仕事は、取材などでは会話から情報を引き出す必要がありますし、様々な情報を分かりやすく読者に伝えなければなりません。また、編集は共同作業ですから一緒にプロジェクトを進めるメンバーとのコミュニケーションも不可欠です。
そして2つ目は、好奇心旺盛であることですね。読者が何を求めているかを理解し、関心を持てなければ務まりません。派遣先の企業では、派遣スタッフから読者としての意見を聞くことができると大変嬉しいようです。日ごろから色々なことに関心を持っている方、つまり情報のアンテナが高い方のほうが良いですね。
3つ目は、強い責任感があるということ。編集・制作においては正確な内容のものをスケジュール通りに完成させることが要求されます。さらに、どんな些細なことにも手を抜かず、できるだけ最良のものを作るという責任感が求められます。特に校正は間違を正すという役割なので責任感がないと務まらない仕事です。
また、今後の業界の展開を考えると、新しい時代に対応できる柔軟な発想力と情熱、行動力が必ず求められるのではないでしょうか。
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