自分がどちらの手続きをすればいいか、簡単なフローチャートでチェックしてみましょう！
いかがでしたか？
おおまかな流れが分かったところで、それぞれの言葉の意味や、具体的な手続きについて詳しく見ていきましょう！
一言でいうと、会社があなたに代わってやってくれる、税金の精算手続きのことです。
毎月のお給料からは、所得税が「だいたいの金額」で天引き（源泉徴収）されています。年末調整では、その年にあなたが支払った生命保険料や、扶養している家族の状況などを反映して「正しい税金の金額」を計算しなおし、払いすぎていればお金が戻ってきて（還付）、足りなければ追加で支払う（徴収）仕組みです。
派遣社員の場合、この手続きは、雇用主である「派遣会社（派遣元）」が行ないます。
一言でいうと、自分自身で税務署に「これだけの所得があったので、税金はこれだけです」と報告・納税する手続きのことです。
年末調整は会社がやってくれますが、複数の会社から給与をもらっている場合や、年末調整では対応できない「税金が安くなる仕組み（控除）」を使いたい場合などに、自分で行なう必要があります。
派遣社員の年末調整は、実際に働いている「派遣先」の会社ではなく、雇用契約を結んでいる「派遣会社（派遣元）」が行ないます。これは一番大事なポイントなので、しっかり覚えておきましょう！
原則として、12月31日時点でその派遣会社に在籍し、「給与所得者の扶養控除等（異動）申告書」を提出している人が対象です。
10月～11月頃になると、派遣会社から年末調整の案内がメールや郵送で届きます。案内に従って、以下の書類を提出しましょう。
【提出する主な書類】
・給与所得者の扶養控除等（異動）申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
【あわせて提出するもの（該当者のみ）】
・生命保険料控除証明書
・地震保険料控除証明書
・iDeCoの掛金払込証明書 など
提出方法はWebや郵送など派遣会社によって異なります。期限に遅れると年末調整が受けられず、自分で確定申告をすることになってしまうので、案内が来たら早めに準備しましょう！
年末調整をしてもらっても、場合によっては自分で確定申告が必要です。「必ずしないとダメな人」と「した方がおトクな人」に分けて解説します。
・派遣の給与収入が年間2,000万円を超える人
・2ヶ所以上の会社から給与をもらっていて、メインではない会社からの年間収入が20万円を超える人
・自分でやっている副業（Webライターやハンドメイド販売など）の所得（収入から必要経費を引いたもの）が年間20万円を超える人
以下に当てはまる人は、確定申告をすることで払いすぎた税金が戻ってくる（還付される）可能性が高いです！
・年の途中で退職し、年末調整を受けていない人
・1年間の医療費がたくさんかかった人（医療費控除）
・ふるさと納税をした人（ワンストップ特例制度を利用していない場合、ワンストップ特例制度を利用したが6団体以上に寄付して無効になった場合）
・iDeCoの証明書などを年末調整に提出し忘れた人
・住宅ローンを組んでマイホームを買った人（1年目）
A. 年末調整は1社でしかできません。
メインで働いている派遣会社（『扶養控除等申告書』を出した会社）で年末調整を行ないます。もう1社の派遣会社には、年末調整は不要であることを伝えましょう。
そして、年末調整をしなかった方の派遣会社から「源泉徴収票」をもらい、メインの給与と合算して自分で「確定申告」をする必要があります。（※サブの収入が年間20万円以下なら確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です）
A. 今在籍しているB社でまとめて年末調整できます！
前の派遣会社であるA社から「源泉徴収票」を発行してもらい、それを今在籍しているB社に提出すればOKです。B社がA社の分も合算して年末調整を行なってくれます。もし源泉徴収票の提出がB社の年末調整に間に合わなかった場合は、自分で確定申告が必要です。
A. 自分で確定申告が必要です。
年末調整は、原則として12月31日時点で在籍している会社で行なうものです。そのため、このケースでは年末調整の対象になりません。退職した派遣会社から「源泉徴収票」をもらい、翌年に自分で確定申告をしましょう。払いすぎていた税金が戻ってくる可能性が高いですよ。
A. 派遣会社の対応によりますが、確定申告でお金が戻る可能性があります。
派遣社員の交通費は原則として非課税（税金がかからない）扱いになりました。しかし、給与の支払い方によっては課税対象になっている場合もあります。
もし「交通費込みの時給」として課税されている場合は、派遣会社に「通勤交通費証明書」のような書類を発行してもらい、確定申告をすることで、交通費分にかかっていた税金が戻ってくる可能性があります。
気になる方は、まず派遣会社の担当者に確認してみましょう。
※エン派遣では、交通費が時給とは別に支給される「交通費非課税」のお仕事もたくさん掲載しています！
「確定申告って難しそう…」と思うかもしれませんが、今はスマホ一つで簡単にできます！2025年分の確定申告期間は、翌年2026年の2月16日～3月15日頃です。早めに準備を始めましょう。
・源泉徴収票（働いたすべての会社からもらう）
・マイナンバーカード（または通知カード＋本人確認書類）
・各種控除証明書（生命保険、iDeCo、ふるさと納税の寄付金受領書など）
・還付金を受け取るための銀行口座情報
スマホで「確定申告」と検索すると一番上に出てきます。マイナンバーカードがあれば、「マイナポータルアプリ」と連携してe-Tax（電子申告）で提出するのが一番スムーズです。
「給与所得」を選択し、手元にある源泉徴収票の内容をそのままポチポチと入力していきます。質問に答えていくだけなので、意外と簡単です。
医療費やふるさと納税、生命保険料などの控除証明書を見ながら金額を入力します。これを入力することで、税金が安くなります。
すべての入力が終わったら、最終的な税額（還付されるか、追加で納税するか）が表示されます。内容を確認し、問題なければ送信ボタンを押して完了です！
いかがでしたか？派遣社員の年末調整と確定申告について、少しでも「なるほど！」と思っていただけたら嬉しいです。
税金の手続きは、知っているだけでおトクになることもたくさんあります。もし分からないことがあれば、まずは雇用主である派遣会社の担当者に相談してみるのが一番の近道です。案内が来たら後回しにせず、早めに対応してスッキリした気持ちで年末年始を迎えましょう！
