親が要介護になった時に「派遣」という働き方がおすすめな5つの理由

2018/11/12更新
「親が、介護が必要な状態になってしまった。どうしよう…」突然始まった介護に不安や戸惑いを感じるのは当然のことです。

考えなくてはいけないことは数あれど、仕事を続けるべきか辞めるべきかも大いに迷われるのではないでしょうか。
このコラムでは、お仕事を続けた方が良い理由を4つと、中でも実家が遠方などの理由で今の仕事を辞めると決めた方へ、介護と両立するお仕事の選択肢に「派遣」をおすすめする理由を5つ、ご紹介します。

1仕事は辞めない方がいい

親に介護が必要だと分かった時や自宅でのお世話を始めた後、仕事を辞めるべきか考える人は多いです。
普通に仕事をしているだけでも大変なのに、そこに親御さんの介護が加わることで、肉体的にも精神的にもボロボロになってしまう人も少なくないそう。夜中に起こされたり、留守中に転倒してしまっていたりするのを見つけたりすると、自分がずっと家にいるしかないのではないかと離職を選択する人もいます。ただ仕事は絶対に辞めない方が良いです。

[1]収入がなくなる

一旦介護離職をすると、貯金を切り崩す無収入の日々が続きます。介護は長丁場になることも多く、親御さんの年金で生活費をまかなえたとしても、預貯金が底をついてしまうこともあります。
要介護度やどのようなサービスを利用するかにもよりますが、介護に必要な費用は生活費を含まずおよそ500万円。無職の状態で生活を続けつつ介護費用も支払うのはかなり大変です。年収1,000万円でも介護が終わったころには残預金がほとんどなく、ホームレス生活を数年送ることになったという方もいます。

[2]介護が終わったときに再就職するのが難しい

厚生労働省が民間企業に委託した調査によると、介護離職者で再就職できたのは約半数。介護をきっかけに一度職を離れてしまうと、再就職(特に、正社員として)は難しいです。採用されることも難しい上に、いざ採用されたとしても今と同じ待遇は難しかったり、年齢を重ねると新しい仕事を覚えるのが大変という面もあります。

[3]社会との繋がりを保った方が良い

「公益財団法人・生命保険文化センター」の調査によると、平均介護期間は5年弱。実際に介護を始めると、介護を始める前よりも「想像以上に精神的な負担が大きかった」と答える方は多いです。仕事と介護の両立が大変で、自宅で介護に専念したいと考えることがあると思いますが、仕事を辞めて介護に専念しても介護者の負担が楽になるとは言い難いのが現実です。ずっと自宅にいて介護を続けていると、だんだん辛くなってしまうのです。フルタイムは難しくても、短時間勤務や週数日でも職場で介護と離れることで、リフレッシュすることが出来ます

[4]介護休業給付金を貰えなくなる

介護が必要だと認定されると、行政からの様々なサポートを受けることができるようになります。その中に介護休業給付金があるのですが、これは介護休業開始日前2年間に、雇用保険の被保険者だった期間が通算12ヶ月(※働いた日数が11日以上ある月を1ヶ月とカウントされます)以上あることが条件となっています。 つまり、今のお仕事を辞めてすぐに別のお仕事に就いたとしても、2年間は介護休業も取得できず、介護休業給付金も取得できません。今のお仕事で介護休業および介護休業給付金の対象であれば、そのまま続けた方が良いでしょう。

介護休業給付金とは、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある家族(配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母)を介護するために休業した場合に支給される給付金のことです。介護休業開始する日と終了する日を明らかにして事業主に申し出を行って取得した休業に対して支給されます。

2親が要介護になったらまずするべきこと

まず「地域包括支援センター」へ連絡しましょう。地域包括支援センターには保健師や社会福祉士、主任ケアマネージャーが配置されていて、介護保険サービスを利用したい人の相談を受けたり、申請を手伝ったりしてくれます。
実際に介護サービスを受ける為には、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定とは、その人がどの位の介護を必要としているのかを市町村が調査をして判定をするものです。地域包括支援センターは要介護認定調査の申請の手伝いもしてくれますので、介護が必要だと分かった際にはまず連絡をすると良いでしょう。

3介護との両立に派遣がおすすめな5つの理由と注意点

今のお仕事が、責任が重たかったり時間的拘束が長かったりして介護との両立が難しいと判断した場合や、ご実家に戻るために今のお仕事は辞めないといけない場合。次のお仕事に、派遣という選択も考えてみてください。派遣のお仕事に就いている方の中には、実際に介護や看病を理由に正社員から転職された方もいらっしゃいます。介護との両立に派遣がおすすめな理由と、介護を理由に派遣を選ぶときの注意事項をまとめていきます。

[1]高時給

2018年10月の関東・一般事務の平均時給は1,582.8円。派遣のお仕事はアルバイトやパートのお仕事と比較して高く、効率的に収入を得るにはぴったりです。

[2]勤務日時に融通が利きやすい

ヘルパーさんにお願いできる時間や食事の用意、薬を飲ませる必要性など様々な理由で、仕事の勤務時間や曜日、日数を調整する必要が出てくることも。派遣のお仕事なら、(1)の高時給を実現したまま、週2~4日や1日5~6時間など短時間勤務で働ける職場もあります。もちろん仕事をしている以上責任がないという訳ではありませんが、比較的簡単なお仕事もありますし、転勤もありません。

[3]仕事探しを派遣会社が手伝ってくれる

介護が既に始まっていて、今のお仕事をしながらの仕事探しとなると体力的にも精神的にも負担が大きくなります。派遣のお仕事であれば、派遣会社へ登録する必要はありますが、あなたの希望にあったお仕事を派遣会社が紹介してくれます。実際にお仕事が始まらないと分からないような雰囲気、例えば「途中で呼び出しがあれば帰らないといけないといった事情に寛容な職場」を紹介してもらうことも可能です。

[4]勤務中も派遣会社がサポートしてくれる

ただでさえ仕事と介護を両立するために大変なのに、職場で何かトラブルがあっても対応する余裕がないかもしれません。そんな時、派遣のお仕事であれば派遣会社の担当者が派遣先企業と間に入ってくれるので、安心です。定期的に話を聞きにきてくれる派遣会社もありますので、派遣会社に登録をする際にフォロー体制をチェックしておくと良いでしょう。派遣会社の福利厚生も利用できます。

[5]キャリアアップ支援体制がある

派遣会社には、派遣スタッフへのキャリアアップ支援が義務化されています。同じ仕事を続けるにしてもスキルアップをすることで時給アップを狙えますし、スキルアップをすることで次の職場を探すときにも有利になります。派遣のお仕事なら、派遣会社のカウンセラーに相談をしながら、eラーニングなどでスキルアップをすることが可能です。

注意点

転職活動の際には、親の介護があることを必ず伝えましょう。不利に働くこともあるかもしれませんが、仕事と介護の両立に理解のない会社ではそもそも続けていくことが難しいです。
また派遣で介護休業を取得するには、介護休業開始日前2年間に雇用保険の被保険者だった期間が通算12ヶ月(※働いた日数が11日以上ある月を1ヶ月とカウントされます)以上あることに加え、同一の派遣会社での雇用期間が1年以上あること・介護休業期間が終了した93日後も引き続き雇用が見込まれていることが条件となります。退職によって介護休業給付金を受け取れなくなるようであれば、今のお仕事を辞めない方が良いでしょう。

4さいごに

介護と仕事の両立を迷ったときの派遣という選択肢を紹介させていただきました。
介護は終わりが見えず、大変の一言では言い表せないほどのことが沢山あります。ただ、国も介護離職をゼロにしようとしており色々と制度が整ってきていますので、各種サービスを使えるだけ使ってください。要介護度によっては介護ベッドをレンタルできたり、介護保険制度には「住宅改修費の支給」もあり自宅をバリアフリーにリフォームする際の助けになります。親御さんが年金受給者で、ご自身の扶養に入れている場合は「世帯分離」という方法もあります。
ご兄弟(姉妹)のお子さんが小さいときなどは遠慮してしまいがちですが、ぜひ一人で悩まずに周囲へ相談したり、協力をあおいでみてください。

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