派遣スタッフ満足度の高い派遣会社が行っている 取り組みとは?
【2020年度「総合満足度」第1位パーソルテンプスタッフ編】

2021/06/15 UPDATE

当研究所で調査・発表した『派遣スタッフが選ぶ!派遣会社満足度ランキング2020』において、第1位に選ばれた派遣会社が「具体的にどのような取り組みをされているのか」を2回にわたって紹介しています。

今回は「総合満足度」第1位に選ばれたパーソルテンプスタッフ木村社長に、お話をお伺いしました。

何よりも派遣スタッフに寄り添い、不安を取り除くこと

―― 今回「総合満足度」1位に選ばれた評価ポイントとしては、「担当者が親身になってくれるから」「担当者がよく話を聞いてくれるから」という『担当者の対応』に関する項目が上位に挙がりました。その要因として考えられることを教えてください。

今回ご評価いただけたのは、何よりも派遣スタッフの方々に寄り添うことを優先し行動してきた結果だと思っています。新型コロナウィルスの感染拡大により先が読みづらい社会情勢の中で、派遣スタッフも不安を抱かざるを得ない状況。当社としては派遣スタッフの方々の声に耳を傾け、社員一丸となって「派遣スタッフの方々の不安を取り除くこと」を第一優先に取り組んでまいりました。


―― 派遣スタッフの方々の不安を取り除くために、現場の方へ指示や取り組まれたことはありますか?

まずは派遣スタッフの方とのやり取りにおいて「とにかく曖昧にしないこと」。
ここは全社員に最も大事にして欲しいと伝えました。曖昧にすれば余計に不安になる。そうならないよう、派遣スタッフの方との接点を増やして不安を早めにキャッチアップすること、その不安に対して“明確になるまで”派遣先への確認や交渉を進めるということを徹底してきました。

また、就業中の方だけではなく、これから派遣で働こうと考えている方に対してもできるだけ不安を取り除き、安心して求職活動をしていただけるよう、登録面談の形式を一つに絞らずにご希望に合わせて選んでいただけるように最初からオンライン登録(ビデオ会議、電話、WEB情報登録)、来社登録という複数の選択肢をご用意しました。

現在はコロナ禍という状況も相まって、WEBでの情報登録のみというケースも増えてきていますが、当社は兼ねてより利便性だけではなく、満足いただくためのサービスを目指し、対面での面談に拘ってきました。

なぜならゴールは登録ではなく、希望に沿った働き方を実現し、安心してお仕事をしていただくこと。そのために、お一人おひとりのお話をお伺いし、ご自身では気づけなかったスキルや仕事に対する志向性などを一緒に理解したいから。

実際、登録いただいた方の声を聞いていると、対面での面談を希望されている方も少なくありません。ご希望に合わせて登録形式を選んでいただけるよう複数選択肢をご用意したことが、色々な方のニーズを満たし、ご評価いただけた要因の一つになったのではないかと考えています。

テーマは「ファンづくり」
派遣スタッフから、いつでも頼りにされる存在に

―― 次に、派遣スタッフの方に対してさらなる満足度向上のために、今後力を入れていこうとされていることがあれば教えてください。

昨年より『ファンづくり』というテーマを掲げています。
『ファンづくり』というのは、「派遣スタッフの方々が、何か困ったことがあった時に“パーソルテンプスタッフ”を第一想起していただけるような、いつでも頼りにされる存在になりたい」という想いが込められています。

そのためには、前提として派遣スタッフの方々に満足していただくこと。現在は「ひと手間、ひと声かけていこう」を合言葉に、派遣スタッフの満足度向上と、色んなフェーズでご相談いただける関係性構築を目指しています。


―― 『ファンづくり』というテーマに繋がる新たに実施されている取り組みはありますか?

昨年、当社より派遣就業されている方向けに「テンプアプリ」というコミュニケーションアプリを導入しました。

営業担当にしか相談できないことは、もちろん人がしっかり対応しますが、多くの問い合わせはこのアプリ内で完結できるようになっています。


―― テンプアプリではどのようなことが対応可能なのでしょうか。

まず、給与明細の確認や有休申請をはじめとする各種申請・事務手続きがアプリ内で完結できるようになっています。さらにスピード対応も重視しており、勤怠管理システムにログインできないなど、急を要する問合せも営業担当からの連絡を待つことなく、一番早く対応できる担当がキャッチアップして処理や回答がされる仕組みになっています。また、全ての対応履歴は営業担当にも共有されるので、営業担当自身が対応していないから知らなかったということもありません。

そして、当社ならではの機能として、「SKD」というものがあります。
「SKD」とは「Sai Kin Dou?(最近どうですか?)」という言葉の略なのですが、派遣スタッフの方は「わざわざ電話するほどでもないけど、ちょっと困っている」というようなことを伝えることができ、我々は今までキャッチアップすることが難しかった、その「ちょっと困っている」ことに対して解決に向けたアクションを取ることができる。双方にとってメリットのある機能です。

導入後から現在まで、多くの派遣スタッフの方にアプリをDLいただき、利用率も高い状態です。 今後も痒いところにも手の届くような対応を心がけ、派遣スタッフの方の満足度向上に向けて取り組んでいきます。


―― 最後に、派遣スタッフの方へメッセージをお願いします。
当社とご縁のあった方々に対してたくさんの選択肢をご用意できるように日々努めていますが、最終的にはみなさんご自身が働き方を決められる環境を作っていきたいと考えています。

そのためにも、現在できる・できないは別として、みなさんお一人おひとりが「どのような働き方をしたいか」我々に投げかけていただきたいと思っています。当社もその投げかけに対して、できるだけお応えできるように努力し続けます。ぜひご遠慮なくご相談ください。


Profile
木村 和成氏(きむら・かずなり)氏
パーソルテンプスタッフ株式会社 代表取締役社長
1991年4月テンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)入社。 テンプスタッフ・キャリア(現パーソルテンプスタッフ)代表取締役 社長、パーソルパナソニックHRパートナーズ代表取締役社長を経て、 2020年4月副社長就任後、2021年4月より現職。親会社パーソル ホールディングスの執行役員も兼任。







執筆・編集:派遣の働き方研究所 研究員 鈴木志保