派遣社員の退職手順を解説!退職の意思表示~最終日挨拶まで

2018/08/20更新
派遣会社と雇用契約を結び、派遣先で就業する派遣。雇用契約を結んだ会社で働く直接雇用とは異なるがゆえに、退職する際の手順について悩まれる方も多いようです。

今回は、退職の意向はいつ・誰に伝えるべきか?必要になる手続きは?退職の挨拶はどの範囲で?など、派遣社員の退職に際しての手順をご説明します。

1退職の意思を伝える

まずは派遣会社の担当者に伝える

仕事で関わるのは派遣先の社員ですが、派遣社員が雇用契約を結んでいるのは派遣会社。退職を考えたら、まずは雇い主である派遣会社の担当者にその意向を伝えます。辞めてからしばらく仕事をしない場合は、次のお仕事紹介が不要な旨も併せて伝えましょう。
日頃の定期フォローや更新の意思確認など、担当者に会う機会を使って伝えるのが良いですが、直接会う機会がない・少ないという場合はメールや電話で伝えるのでも良いでしょう。メールだけで伝えることに抵抗感がある場合は、まず「ご相談があるので少しお時間頂戴できませんか。」などの連絡をするのも方法の一つです。

派遣先の方との関わりが深く、自分から何も言わないのは不自然…という場合には、どのタイミングで誰に伝えるのが望ましいかも、派遣会社の担当者とよく話し合っておくことをおすすめします。

次回更新の1ヶ月前までには伝える

派遣会社側から契約更新の意思確認がある場合はその際に伝えるのが無難ですが、それを待ってギリギリになってしまってはよくないので、状況に応じて、遅くとも次回更新(契約終了)の1ヶ月前までには伝えましょう。※派遣会社によっては退職の申し出の期限を決めていることもあります。その場合は規則に準じてください。
なお、派遣のように期間の定めのある雇用契約の場合、契約期間は満了するのが基本。契約途中で辞めてしまうと派遣先や派遣会社に迷惑がかかりますし、“約束を守ってもらえない人”と思われてしまう可能性もあります。立つ鳥後を濁さずと言いますが、辞める際のマナーも大事にしましょう。

もちろん、病気や怪我などやむを得ない事情が発生した場合や、そもそも契約内容と実態が異なったという場合は別です。そういった場合には担当者に相談しましょう。

退職の意思表示は…
次回更新の1ヶ月前までに、派遣会社の担当者に!派遣先には、派遣会社の担当者から伝えてもらえる。

2自分だけが知っていること・マニュアル変更点は漏れなく引き継ぐ

退職が決まれば、担当業務は当然、後任の方にお願いすることになります。
後任には派遣先の社員さんがレクチャーしてくれることもありますが、ご自身で後任の方に引き継ぎを行うケースもあるでしょう。どの程度の引き継ぎが求められるかは派遣先によっても異なりますが、求められる範囲において、しっかりとした引き継ぎを行いましょう。
ありがちなのは、自分だけがやっていること・知っていること、当初のマニュアルから変わっていることなどが共有されず、残された人が困惑するパターン。業務が滞ってしまいますし、杜撰な引き継ぎをする人と思われてはもったいないです。このような業務がある方は特に気をつけてください。

3退職に伴う手続き

退職届は不要

派遣の場合、期間を定めて雇用契約を結んでいるので、基本的には契約終了のタイミングで今後契約更新をしない旨を伝えるだけでOKです。また退職理由についても、派遣会社から派遣先に伝えてもらえます。職場である派遣先に直接伝えるわけではないので、あまり悩まずとも大丈夫です。

社会保険の切り替えは速やかに

派遣会社で社会保険に加入していて、すぐ次の仕事に就かない場合は、退職とともに健康保険や厚生年金保険の加入資格がなくなりますので、それぞれ切り替えが必要になります。
切り替え手続きを行わないと医療費は全額自己負担となりますし、年金は未加入期間ができ、後々遡って支払うことになりますので、速やかに手続きを済ませましょう。
なお、退職後の就業状況によって切り替えの対応は異なりますので、ご自身の状況に応じて下記を参照ください。

|働く予定がない場合/次の仕事に就くまで間が空く場合

・健康保険
国民健康保険に切り替えが必要です。お住まいの自治体のHPで国民健康保険に関するページを参照したり、窓口に問い合わせるなどして速やかに手続きを済ませましょう。
・厚生年金保険
国民年金(第1号被保険者)に切り替えが必要です。こちらも国民健康保険同様、自治体のHPを参照・窓口に問い合わせるなどして、速やかに手続きを済ませましょう。

|家族の扶養に入る場合

・健康保険
ご家族が加入してる健康保険に切り替えが必要です。ご家族の勤める会社に問合せ、必要な手続きを行いましょう。
・厚生年金保険
国民年金(第3号被保険者)への切り替えが必要です。ご家族の勤める会社経由で手続きを行うことになるので、健康保険同様、まずは問合せをしてみましょう。

退職に伴う手続き…
退職届は不要!すぐ次の仕事に就かない場合は、健康保険・厚生年金の切り替えが必須。

4派遣先での退職の挨拶

関わりの深い方々には直接、その他の方もメールなどで挨拶を

派遣でも直接雇用でも、お世話になった職場の方に挨拶をして去るのは同じ。関わりの深い方々には、直接出向いて一言でも挨拶をするのが基本です。ただ、最終出社日というのは備品の返却などもありバタつくことが多いもの。直接挨拶に回りきれない場合には、挨拶のメールを送っておきましょう。

※送別会や夕礼の場で一言挨拶を求められたら
派遣先によっては、送別会や夕礼を開いて送り出してくれることもあるようです。大勢の前で話すのが苦手な方は、関わった方々に一度に感謝の気持ちを伝えられる機会と捉えると良いでしょう。無理に長く話す必要はありませんが、慌てずに話せるよう、ある程度話すことを考えておくと安心です。
何を話していいかわからない、という場合は、(1)まずはその場を設けてもらったことのお礼を伝え、(2)その後は仕事を通じてできるようになったこと・学んだことなどを簡単に述べながら、(3)お世話になったことへの感謝につなげていく…というのがおすすめです。

お礼の品は職場の風土や関係性に応じて

菓子折りなどを持っていくべきか…?と悩む方は多いですが、これは職場の雰囲気や周りの方々とご自身の関係性に応じて判断すれば良いものです。大事なのはお世話になったことへの感謝の気持ちと、それを伝えること。マナーや一般的な常識として必要とされるものではありませんので、あまり無理をして用意する必要はないでしょう。
もちろん、感謝の気持ちを込めて渡したいという場合は用意して悪いことはありません。

派遣先での挨拶…
直接挨拶が基本!回りきれない人にはメールで感謝の意を。お礼の品は無理に用意せずともOK。状況に応じて判断を!

5さいごに

今回は派遣社員が退職する場合の手順について大まかな流れを解説しましたが、疑問は解消されましたか?本記事を参考に、円滑に手続きを進めていただけたら嬉しいです。

退職の理由は様々ですし、就業中の働きぶりももちろん大事ですが、エン派遣としては、去り方は特に大事と考えています。揉め事が起きたり、わだかまりを残すような辞め方は、派遣会社・派遣先に迷惑がかかるだけでなく、辞める本人にとっても気持ちの良いものではなく、後々まで嫌な気持ちを引きずってしまうものだからです。
派遣という働き方をしていると、その後もまた同じ派遣会社でお世話になる可能性もあります。円満に退職することは後々の仕事にも好影響を与える、という気持ちで、最後まで社会人として良識ある対応を心がけてくださいね。

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