- 貿易事務で多いお仕事の内容について教えてください。
- 勤務先は、商社やメーカー、そして「乙仲」「フォワーダー」と呼ばれる海貨業者の物流会社などがメインとなります。「乙仲」「フォワーダー」とはイメージしやすい言葉で言うと、旅行をする時に手配を依頼する旅行代理店のような存在で、物を輸送する際の仲介業者にあたります。
貿易を行なう際は、航空と海上の貨物に分かれ、航空であれば高い輸送費でもスピードを重視しているお客さまが利用するので、よりスピーディに業務を動かす必要があります。また、基本的には輸出と輸入の業務に分かれていますが、会社によっては輸出入の両方を担当する場合もあります。具体的な業務内容としては、通関業務や貿易書類作成、お客さまや業者とのやり取りを行なうカスタマーサービス業務などになります。 - 貿易事務のお仕事の傾向について教えてください。
- 最近は、貿易事務の募集が増加傾向にあります。というのも、2013年くらいから景気上昇や円安の影響で輸出入の件数が増えています。2008年のリーマンショック後、一時的に募集が減りましたが、今では回復し、輸入に関してはむしろ以前と比べて増加している状況です。食料自給率や資源の少ない日本において、なくなる事がないお仕事と言えます。
- 未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
- 未経験から貿易事務を始めるには、大きく2つの方法があります。1つは研修やスクールなどで学んで貿易や通関の知識を身につけるという方法。弊社もそうですが、未経験から参加できる貿易事務の基礎知識を学べる研修を開催している派遣会社があります。そのような会社に登録し、貿易の知識を身につけると就業できる可能性が高くなります。または、日本貿易実務検定協会が認定をしている貿易実務検定の資格を取得すると有利になります。
もう1つは、まずは物流会社や海貨業者・フォワーダーの一般事務や営業事務として就業するという方法。業務の中で貿易関連の知識を身につけ、ステップアップして貿易事務を目指すのも、未経験からチャレンジするには良い方法だと思います。
その他、英語力やExcel・Wordのスキルが高ければ、よりお仕事をご紹介しやすくなりますので、ぜひその点も派遣会社との面談の際にはアピールしていただければと思います。 - どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
- 特に業務を通して、未経験でもやる気とポテンシャルを評価してもらえれば、時給アップにつながります。また、必須ではありませんが、英語力が高いと、より時給の高い仕事をご紹介できます。たとえば、英語での電話対応を含む仕事や外資系フォワーダーなどですと社内公用語が英語だったりするので、そのような業務・会社で働く際には英語力が評価されます。
- このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
- 貿易事務の仕事は、納期がある仕事です。納期を越えてしまうとお客さまに対し損害となってしまうため、スケジュールに沿って進捗を管理していく必要があります。自己管理ができ、常に効率化を図ろうという姿勢をお持ちの方であれば活躍できると思います。
また、スムーズに納品するためにも、コミュニケーションスキルは欠かせません。様々な企業や社内の部署、海外企業とやり取りをして納期までに納品する必要があります。人に動いてもらえるようなコミュニケーションを図れる力が求められる仕事です。
最後に、英語力です。貿易書類の多くは英語表記です。定型文が多いのですぐに慣れると思いますが、読むにしても書くにしても、英語が使えると活躍できます。また、海外とのやりとりは、英語でのメールが多いので、読み書きの能力を求められることが多いお仕事です。