派遣のお仕事クローズアップ
人気の職種を徹底解剖!先輩スタッフさんや派遣会社の担当者に独自インタビューするコーナーです。

貿易事務のオシゴト

モノを届ける、受け取る。シンプルだけど世界とつながる奥深い仕事です。女性
職種名
貿易事務
仕事内容
海外・国内向け化学品の輸出及び調達(輸出・国内調達・輸入・三国間)
プロフィール
お仕事経験
自動車会社での事務、メーカーでの営業アシスタント、貿易会社での貿易業務、造船会社での海外プラントプロジェクト業務
資格・特技
特になし
現在の派遣先
東レグループの専門商社
派遣会社
東レエンタープライズ株式会社
収入
週5日勤務、残業15~20時間/月、月30万円程度
現在、担当している仕事内容を詳しく教えてください。
現在働いている会社は東レグループの商社です。メーカーである東レと海外企業や物流会社の間に入り、海外・国内向け化学品のデリバリー業務を担当しています。取引形態には、輸出・国内調達・輸入・三国間のパターンがあります。

担当している業務内容は、輸入取引においてはメーカーで化学品を作る際に必要な原料を海外から輸入します。私が扱っている商材は繊維の原料となるもので、ケミカルタンカーやコンテナー単位で運ばれてくることがほとんどです。輸入は、受け取る側なので、比較的シンプルな業務になりますが、輸入通関業務がスムーズに行くよう注意が必要です。

輸出取引においては、国内のメーカーが製造した原料を調達し、それを海外の東レグループ企業などに輸出します。国内のメーカーから原料を購入し、指定倉庫に搬入してもらい、次に日本の港から目的地となる海外の港まで輸送する船を探し、手配を進めます。輸送中も天候などにより船が遅れたりすることがあるため、常に動静を確認して納期に間に合うかを見守る必要があります。

そして、三国間貿易。たとえば、日本以外の別の国から海外にある東レグループ企業へ直接原料を届ける際は、三国間貿易という取引になり、私が日本にいて間に入りつつ海外から海外へ原料を輸送するということになります。現地の担当者にこちらの指示通り手配を進めてもらう必要があり、この業務も調整力が求められます。

大抵の場合は、輸出だけ、輸入だけなど携わる業務範囲が決まっていることが多い中、私の場合はすべてを担当させていただいています。やり取りが多いのは、中国・韓国・マレーシア・アメリカなどです。文化の違いや時差などがありますが、お客さまの希望に出来るだけ沿うよう費用を抑えつつ、商材を届けるということに面白さを感じています。
このお仕事を選ばれた理由を教えてください。
学校を卒業後、自動車会社の輸出部門管理グループで、部署の売上げや損益管理を行なうスタッフ業務に就いていました。その後、派遣社員として国内メーカーで国内営業アシスタントを経験し、貿易会社で貿易業務を学びました。前職では、造船会社で海外プラントプロジェクト業務に携わり、3年ほど仕事をしました。現地駐在員からの依頼に基づき、海外にいる設計担当者に設計図を発送する仕事を担当していました。事務的なお仕事からスタートして、少しずつ業務の幅を広げてきたという感じです。

海外に興味があったことと、自分のスキルを伸ばせると思ったため、現在、貿易事務のお仕事をしています。しかも今の環境では、輸入・輸出・三国間とあらゆる業務を経験することができるので、ステップアップにつながっていると感じています。
貿易事務のお仕事のやりがいは、どんなところですか?
文化の異なる色々な国の人とコミュニケーションが取れるところ、そして業務に広がりがあり、沢山のことを学べるところに仕事のやりがいを感じます。オフィスワークの仕事ですが、決して単純な作業ではありません。どう輸送するかをイメージしながら最適な方法を考え、悩みながらもその時考えられる最善の方法で仕事を進めていく必要があります。また、為替は常に変動するため、予約するタイミングで販売や購入金額が大きく変わることがあり、緊張することもあります。客先の希望どおりに貨物を輸送することができると、相手からお礼を言われることもあり、そういう時は素直に嬉しいです。

一方、その国特有の進め方や時間の流れがあり、なかなか思い通りに仕事が運ばないことも沢山あります。「ここまでは対応できるが、これは難しい」など、行き違いや誤解を避けるため、先方には明確に伝えるようにしています。また、ハリケーンなど天候の影響で予定通りに船が進まず、納期に影響を及ぼすこともあり、気苦労な一面もありますが、それも含めて面白いと感じています。

また、仕事とは直接関係がないかもしれませんが、海外のお客様が日本でのニュースを私より早く入手していて、逆に最新情報を教えてもらうこともありました。いつもやり取りをしている方々とは、生まれた国や言語は違っても、心の繋がりを感じています。それから、旅行に行った時、自分が手配した貨物が到着する港を訪れた際は、感慨深い気持ちになりました。ここに船が到着するんだなぁと不思議な気持ちになります。
このお仕事に役立ったこれまでの経験やスキル、資格はありますか?
これまでの、色々な人とやり取りをしつつ調整しながらお仕事を進める経験が、役に立っていると思います。また、私自信、これと言った資格を持っていないので分りませんが、英語は出来た方が良いと思います。実際、私はかなり苦労しています。これまでの業務を通じてある程度英語に抵抗はないものの、英語のスキルがあればそれは強みになると思います。それから、SAPの使用経験があると、入力業務がスムーズです。
このお仕事を通じて、新たに身に付いたスキルがあったら教えてください。
毎日、英語でのやり取りがあるので、おのずと英語に慣れます。経験を積めば積むほど、業務の幅が広がれば広がるほど、英語力やコミュニケーション力が高まる気がします。

また、スキルとは関係ないかも知れませんが、世界各国の地名に強くなります。ニュースで流れている各国の情勢や為替動向、原油価格、天災などが、他人事ではなく直接自分の仕事に影響をもたらすことがあるので、以前より海外のニュースに対する興味が強まったと思います。
このお仕事を目指す人にひとことをお願いします!
今の職場で長く貿易の仕事をしていますが、それでもマンネリを感じる事なく新しい発見が沢山ある仕事です。海外に興味を持っていて、自主的に仕事をしたいと思っている方に貿易事務はオススメです!貿易業務と言っても扱う商品により特性があり、送り先や手配方法も様々ですが、基礎の部分は同じだと思います。最初は貿易用語などで戸惑う事もあると思いますが、基礎的な部分をマスターすれば自分次第でどんどん仕事に広がりを持たせることができる業務です。
派遣会社に聞いた!貿易事務
貿易事務で多いお仕事の内容について教えてください。
貿易事務のお仕事は、商社やメーカー、船舶会社や海運貨物取り扱い業者である乙仲などが派遣先となることがほとんどです。たとえば海外から資材を輸入して国内で生産し、海外に輸出をするというケース。メーカーは商社を通して資材を輸入し、物を作り、また商社を通して海外に輸出するという流れになります。その輸入・輸出の際に物流系企業が介入します。そのため、商社やメーカー、船舶会社や海運貨物取り扱い業者において、立場は少し異なるものの、貿易事務のお仕事があるのです。
商社やメーカーでの貿易事務の場合、受発注処理や価格・数量・納期の管理及び調整などを行なう海外デリバリー業務、メールや電話で海外と連絡を取るコレポン業務、輸出入に関わるドキュメント作成などが主な仕事内容になります。その他、その業務に付随する事務業務もあります。物流系企業での貿易事務の場合は、デリバリー業務とは少し異なり、船や航空機のブッキングなどの手配業務から輸出入に必要なドキュメント作成・データ入力、書類発送などがメインとなります。
貿易事務のお仕事の傾向について教えてください。
派遣先としては、商社やメーカー、商社およびメーカー内物流・運輸関連部署、物流系企業(フォワーダー)などが多くあります。2008年末のリーマンショック以降、一時期貿易事務のお仕事は減っておりましたが、2010年以降回復傾向にあり、2012年2月時点のグローバル企業の求人数は2010年と比較して約1.5倍に増えています。商社やメーカー、海運などを中心に、海外の物流拠点との調整や折衝業務も増えており、今後ますます貿易事務が担う役割は高まっています。
未経験の方がこのお仕事に就くには、どのような方法がありますか?
貿易事務は英文書類の作成や確認が多く、正確性やスピード感が必要となる為、即戦力=経験者を求められる事が多いお仕事です。書類作成がメインの業務ですと、語学力は会話よりも読み書きのスキルが重要となります。
「ワーキングホリデーに行った事がある」・「留学経験がある」という方は沢山いらっしゃいますので、現在はそれだけでは語学を使うお仕事の強みにはなりません。未経験から貿易事務を目指すには、客観的な判断材料としてTOEICのスコアを条件として指定されているポジションも数多くあります。
また、貿易実務検定を取得することでも、未経験から就業するチャンスが高まります。実務経験をお持ちでなくても、積極的に勉強していて知識をお持ちであれば、就業のチャンスがあります。物流系の業務であれば、通関士資格も取得すると有利になるかと思います。
貿易事務の中でも、比較的未経験からチャレンジしやすいのが、輸入メインの貿易事務や物流会社での貿易事務。輸入がメインの貿易事務ですと、商材を受け入れる側なので手配がシンプルです。そのため、他方面と調整することが少なく、チャレンジしやすいですね。また、物流会社での貿易事務であれば、商社からの依頼を受けてドキュメントを作成したり、ブッキングをしたりすることがメインになります。こちらも多方面との調整が少なく、書類の処理などが多めなので、早くかつ正確に事務処理を行なえる方であればチャレンジしやすいと思います。
どんなスキルがあると時給アップにつながりますか?
派遣先などにもよりますが、TOEICのスコアアップや英会話力がアップすると時給も上がるケースがあります。その理由としては、英語力がアップすれば、担当する業務の幅が広がり、任せられることが増えるためです。語学力はもちろんあったほうがよいですが、それよりも、英文メールのやり取りができるとか、短期留学などで英語で多くのコミュニケーションをとったことがあるとか、そういった経験のほうが任される業務の幅が広がるので、高時給のお仕事に就きやすいと思います。その他、貿易に関わる資格の取得なども同様の理由で、担当できる業務が増えるので、時給アップにつながります。
このお仕事に求められるのは、どんな人材ですか?
デリバリー業務では、貿易に関する深い知識よりも、お客さまからのリクエストや問い合わせを正確かつ迅速に汲み取り、調整する能力が求められます。貿易事務は、同時並行で進めなければならない仕事が沢山あります。人とのやり取りも多いので、コミュニケーションスキルは欠かせません。
物流系業務では、貿易書類に関する知識が必要となります。ドキュメント作成にミスは許されないので、細かい作業が得意な方が良いですね。自分の作成したドキュメントに間違いがあった場合、多くの人が調整をしなおさなければなりませんし、時間的にも金額的にも損失が生まれてしまいます。そのため、正確かつ迅速に対応できる方が良いと思います。
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